環境技術
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研究論文
生分解可能な農業用マルチシートの開発研究
徐 順豪王 秀崙
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2023 年 52 巻 1 号 p. 34-40

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抄録

 食料生産過程において大豆の脱穀残渣が多量発生し,そのほとんどが廃棄処分される.本研究では未利用バイオマスである大豆の脱穀残渣を用いて生分解可能な農業用マルチシートの開発を目指す.本研究で考案した作製プロセスを用いてマルチシートを作製し,その物理的特性および強度特性を調べた.作製条件は成型時の負荷圧力を10通り,乾燥温度を110℃,乾燥時間を30分とした.その結果,いずれの作製条件下においてもマルチシートを作製することができた.強度試験よりマルチシートの引張破断応力は密度により変化し,1.56~9.83MPa であった.また,作製したマルチシートの遮光率は99.76~99.95%の範囲内であり,十分な遮光性を持つことが分かった.マルチシート作製過程において化学薬品や接着剤等を一切使用せず繊維間の水素結合によってマルチシートが成型された.したがって,作製したマルチシートは完全生分解可能で環境にやさしいマルチフィルムの代替材料として使用できる可能性が示された.

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© 2023 環境技術学会
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