人口減少が特徴的な流域において,1991年から30年間,週1回の頻度で河川水質(窒素,リン,有機物汚濁指標)を調査した.調査期間中,人口と耕地面積は一様に減少しており,人口は約25%の減少,耕地面積は約半分の減少があった.一方で水質は,調査期間を通じての明確な低下傾向はみられず,窒素では前半期間の上昇とその後の低下傾向が,リンでは低下傾向が中流地点での2010年以降に限定されていた.これらの水質変化を説明する可能性のある要因として,窒素については対応する期間に増加と減少がみられた大気降下物が考えられた.リンについては,2010年から水の貯留を開始し,2014年からアオコが観察されるダムが,リンの流れを一時的に阻害していることが考えられた.