環境技術
Online ISSN : 1882-8590
Print ISSN : 0388-9459
ISSN-L : 0388-9459
52 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
研究論文
  • 徐 順豪, 王 秀崙
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 52 巻 1 号 p. 34-40
    発行日: 2023/01/20
    公開日: 2023/02/15
    ジャーナル フリー

     食料生産過程において大豆の脱穀残渣が多量発生し,そのほとんどが廃棄処分される.本研究では未利用バイオマスである大豆の脱穀残渣を用いて生分解可能な農業用マルチシートの開発を目指す.本研究で考案した作製プロセスを用いてマルチシートを作製し,その物理的特性および強度特性を調べた.作製条件は成型時の負荷圧力を10通り,乾燥温度を110℃,乾燥時間を30分とした.その結果,いずれの作製条件下においてもマルチシートを作製することができた.強度試験よりマルチシートの引張破断応力は密度により変化し,1.56~9.83MPa であった.また,作製したマルチシートの遮光率は99.76~99.95%の範囲内であり,十分な遮光性を持つことが分かった.マルチシート作製過程において化学薬品や接着剤等を一切使用せず繊維間の水素結合によってマルチシートが成型された.したがって,作製したマルチシートは完全生分解可能で環境にやさしいマルチフィルムの代替材料として使用できる可能性が示された.

  • 武田 育郎
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 52 巻 1 号 p. 41-49
    発行日: 2023/01/20
    公開日: 2023/02/15
    ジャーナル フリー

     人口減少が特徴的な流域において,1991年から30年間,週1回の頻度で河川水質(窒素,リン,有機物汚濁指標)を調査した.調査期間中,人口と耕地面積は一様に減少しており,人口は約25%の減少,耕地面積は約半分の減少があった.一方で水質は,調査期間を通じての明確な低下傾向はみられず,窒素では前半期間の上昇とその後の低下傾向が,リンでは低下傾向が中流地点での2010年以降に限定されていた.これらの水質変化を説明する可能性のある要因として,窒素については対応する期間に増加と減少がみられた大気降下物が考えられた.リンについては,2010年から水の貯留を開始し,2014年からアオコが観察されるダムが,リンの流れを一時的に阻害していることが考えられた.

feedback
Top