環境技術
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マルコフ連鎖による水量制御性
雄倉 幸昭
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1982 年 11 巻 5 号 p. 334-343

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抄録

水輸送は, 連続の式と運動方程式に従って移動するが, 上水道配水系統, 下水道集水系統, 広域上下水道, 河川ネットワークと並べてみると, 後者になるほど地形の不利をおしてもある地域からある地域への必要に迫られた人為的輸送という度合が強くなる.このことは, 後者ほど運動方程式の重要度が弱まって, 相対的に連続の式が比重を増していると考えることができる.
本研究は, このような水輸送の制御にMarkov Processが応用できると考えて, その可能性を検討したものである.すなわち, 各径路の流量を制限または閉止した場合, 各点の流出量を増加させるには, どの径路を制限または閉止すればよいかを例題で示した.最後に応用性の検討として配水管網をとりあげ, 各地点の需要量配分比が変化した場合の制御ルートの探索に, この手法と管網計算との交互試算が非常に効果的であることを示した.

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