抄録
濁りは水質汚濁において最も基本的な計測量であると同時に, 活性汚泥プラントなどの内部状態量を把握する上でも重要である.著者らはこれまでに, 視覚により濁りを測定する場合, 感覚的な濁りの要因として明るさの他に, 粒子の大きさ及び粒子の数が主たる要因であり, またこれらの感覚的諸量には, 物理計測量としてそれぞれ透過率, 面積平均径及び個数濃度が対応することを明らかにした.しかし感覚量としての要因, さらにはそれらに対応する物理的要因が濁りの認識過程のどの段階でどの様な形で影響するかがいまだに明らかになっていない.本研究では視覚による濁りの認識の過程をより明確にすることを目的とする.
濁りの測定装置は上水試験において濁度及び色度を測定する装置と同様な構造である.はじめに主観的等価値を求めることにより, 第一義的な濁りの要因について考察した.さらに明るさが等しい場合に濁りがどのように判断されるかについて一対比較法を用いて濁りの尺度化を図った.
その結果, 目視による濁りの測定というのは, (i) まず明るさの差があるかどうかを判断する, (ii) 差がない場合はさらに細部の違い, すなわちもやけ具合, 粒子の大きさ, 粒子の数などに注目して判断する, というように階層的な認識過程を持つことがわかった.