日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第49回大会
セッションID: P2-25
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放射線影響(分化・老化・免疫・組織障害・その他)
EF 2001 (Enterococcus・Faecalis)による放射線防護効果に関する研究
*具 然和岩佐 広行糸川 由佳増渕 崇前中 俊宏関本 博之長谷川 武夫石田 寅夫
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抄録
【緒言】放射線治療と抗がん剤治療は副作用が大きく、免疫力の低下または気力の低下により体力を落とす。本研究では、特に放射線のがん治療時の副作用に対する放射線防護剤としてEF2001が免疫増強で有効であるかないかをマウスを用いて検討を行った。【方法】各EF2001抽出物100mg/kgを2週間以上強制経口投与した。Scc-7移植し、2週間後、腫瘍部に放射線6Gy照射し、腫瘍成長比と重量を測定することで抗腫瘍効果を測定した。各試料の投与は、実験終了まで行った。同様に白血球、リンパ球、単球数も測定した。また、抗酸化活性も測定した。更に、C57BLマウスを用い、CD4およびCD8の解析を行った。【結果】抗腫瘍効果ではEF2001およびそれらの併用投与により腫瘍の成長が抑制された。血球数変化では、白血球数、リンパ球数、単球数の増加がみられた。抗酸化活性では、各試料投与により、抗酸化作用が確認された。各投与群においてCD4およびCD8が増加した。また、放射線照射後を見ると、EF2001投与群でのCD4およびCD8の大幅な増加が見られた。【考案】EF2001は、放射線照射により生じたラジカルスカベンジング作用で、白血球数の減少を抑え、免疫力の低下を防ぐと共に、マクロファージの活性やT細胞活性またはINF-γなどの増加作用により抗がん作用などが認められた。【総括】これらのことから、EF2001投与による放射線防護効果が示唆された。EF2001を摂取することでガンの予防効果、治療効果及び放射線がん治療における免疫増強効果や副作用防止に期待できる。
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© 2006 日本放射線影響学会
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