日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第49回大会
セッションID: P2-45
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放射線治療生物学(感受性・高LET・防護剤・増感剤・ハイパーサーミア・診断)
炭素線局所一回照射によるマウス固形腫瘍誘発
小池 幸子安藤 興一鵜澤 玲子古澤 佳也平山 亮一*松本 孔貴渡邉 雅彦高井 伸彦扶川 武志岡安 隆一
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抄録
我々は今までにマウス下肢腫瘍誘発に関する炭素線分割照射RBEが2.9であると報告している(J.Radiat.Res., 46,185-190,2005)。また、全身一回照射の他報告と異なり、線量効果が線形となり、釣り鐘形状を示さなかった。本論文では、同じエンドポイントを用いて炭素線一回照射による線量効果とRBEについて報告する。C3H雌マウス1650匹を用いた。290MeV/u炭素線拡大ブラッグピークおよびセシウムγ線の40Gy照射までは腫瘍誘発が増大したが、それ以上の線量になるとピークからの下降が見られた。20%腫瘍誘発率をもたらす線量を比較することにより得た炭素線RBEは、LET 15,45そして75keV/μmにて,それぞれ1.0、1.2そして1.9であった。興味あることに、誘発最高頻度は線質により異なり、15keV/μm炭素線における最高頻度の方がγ線における最高頻度よりも低かったことである。これは、低LET炭素線がγ線よりも危険度が低い可能性のあることを示唆している。
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© 2006 日本放射線影響学会
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