日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第50回大会
セッションID: CP-101
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放射線応答とシグナル伝達
シロイヌナズナ幼苗において放射線照射により誘導される細胞内遺伝子発現
*畑下 昌範高城 啓一久米 恭福田 茂一
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抄録
放射線照射によるDNA2本鎖切断は主にATMシグナリングによって検知される。ATMはDNA修復の制御だけでなく、細胞周期の制御にも関わっているとされる。酵母や哺乳動物細胞においては、放射線はDNA2本鎖切断の修復や細胞周期応答に関わる遺伝子群の一過性で急速な高い転写を誘導することが知られている。植物におけるDNA2本鎖切断の修復や細胞周期の制御に関する基本的なメカニズムは酵母や哺乳動物のそれと同様であると考えられている。しかし、ATMシグナル経路は種を越えて高度に保存されているものの、植物細胞がゲノム完全性の喪失に応答して細胞周期を停止してDNA2本鎖切断を修復するメカニズムは依然として不明である。
播種後5日目のシロイヌナズナ幼苗に対して200MeVのプロトンビームが照射された。照射後経時的にRNAを抽出した。シロイヌナズナのヒトDNA修復遺伝子や細胞周期関連遺伝子のホモログに関して、放射線照射後のそれらの遺伝子発現をリアルタイムRT-PCRにより解析した。
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© 2007 日本放射線影響学会
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