抄録
【目的】本研究では、低線量放射線のホルミシス効果を調べるためにマウスを用いて免疫活性を検討した。
【方法】マウスにラドン(Rn)シートによる暴露環境の中で、放射線照射後の血球数の経時的変化、抗酸化作用、免疫活性などの放射線ホルミシスのメカニズムを検討した。
実験群は、Control群、Rnシート暴露群、2Gy群、Rnシート暴露+2Gy群の計4群とした。
白血球数およびリンパ球数、顆粒球数、単球数とした。血清中のSOD活性度の測定を行った。また、CD4およびCD8の解析を行い、免疫活性などを検討した。
【結果】2Gy群の白血球数に対して、Rnシート暴露+2Gy群に有意な放射線照射による白血球数の減少が抑制した。SOD活性度を測定したところ、Rnシート暴露群によるSOD活性度の有意な上昇が認められた。Rnシート暴露群においてCD4およびCD8も増加した。【結論】これらのことからRnシート暴露によるα線による細胞刺激は、SOD用活性だけでなく、免疫増強効果も期待できる。従って、Rnシート暴露によって刺激された細胞は、成長促進、免疫機能の向上、疾病の抑制、寿命の延長などが期待できる。