日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第51回大会
セッションID: DP-7
会議情報

低線量・低線量率
低線量率トリチウムβ線によるTCR (T cell receptor) 遺伝子の突然変異誘発におけるp53の役割
*馬田 敏幸法村 俊之
著者情報
キーワード: トリチウム, 低線量率, p53
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
p53野生型マウスにトリチウム水一回投与によるβ線照射、あるいはセシウム-137γ線をシミュレーション照射法(トリチウムの実効半減期に従って線量率を連続的に減少させながら照射)により3Gyの 全身照射を行ったとき、T細胞のTCR遺伝子の突然変異誘発率は、γ線では上昇しなかったがトリチウムβ線では有意に上昇した。この差異の原因がp53の活性量の違いにあるのかを明らかにするために、次の実験を行った。8週齢のC57BL/6Nマウスの腹腔内に、270MBqのトリチウム水を注射し19日間飼育した。この間にマウスは低線量率で3Gyの被ばくを受けることになる。γ線はシミュレーション照射法で7日間照射し、その後12日間飼育した。飼育最終日にマウスに3Gy(0.86 Gy/min)照射し、4時間後に脾臓を摘出しT細胞分離用とアポトーシス解析のためのタネル法の試料とした。ウェスタンブロット法によりp53の発現量とリン酸化p53の存在量を比較した。p53の活性量とアポトーシス活性を現在解析中であり、突然変異の除去機構について考察を行う。
著者関連情報
© 2008 日本放射線影響学会
前の記事 次の記事
feedback
Top