日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第51回大会
セッションID: FP-15
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被ばく影響・疫学
広島原爆フォールアウトに含まれたCs-137およびU-235の測定
*静間 清遠藤 暁藤川 陽子今中 哲二星 正治葉佐井 博巳SAHOO Sarat K米原 英典青山 道夫山本 政儀SHINKAREV Sergey
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キーワード: 広島原爆, 黒い雨, Cs-137/U-235
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抄録
広島原爆のフォールアウトは爆心から約3km西方の己斐・高須付近で高かったことが初期測定から知られている。しかしながら、原爆以後の核実験フォールアウトのために、戦後に集められた試料からは原爆に由来する137Csは測定されていない。広島原爆資料館には2つの「黒い雨」壁面が保管されている。これらは広島市高須の民家から切り取られ寄贈されたもので爆心の西方3700mに位置していた。原爆による爆風で屋根がずれ、そこから黒い雨が降り込んで白壁に黒い雨の跡が残った。我々は広島原爆資料館所蔵の黒い雨壁面から微小サンプルを採取し、低バックグラウンドGe検出器により,Cs-137を測定し,ICP-MS法でウラン同位体を測定した。U-235/U-238比の測定から天然比より高い原爆由来の同位体比を検出した。また,Cs-137/U-235比を求めて,fission yieldと比較したところ測定値のほうが高い結果が得られた。fractionationについて検討を行い,その結果について報告する。  
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© 2008 日本放射線影響学会
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