脳卒中
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可逆性脳血管攣縮症候群を合併し,くも膜下出血と脳梗塞を同時発症した左前大脳動脈解離の 1例
碓井 遼阿久津 二夫井島 大輔北村 英二金子 淳太郎中村 幹昭栁田 敦子金子 厚近藤 裕子須賀 裕樹髙橋 和沙永井 俊行山本 大輔西山 和利
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論文ID: 10625

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抄録

症例は 48歳女性.突然発症の運動性失語と下肢優位の右片麻痺のため緊急入院した.頭部 CTAで左前大脳動脈(anterior cerebral artery: ACA)の描出が不良で,両側主幹動脈の多発狭窄を認めた.MRIで左前頭葉内側面の新規梗塞巣とその外側の脳溝に限局する皮質性くも膜下出血を認めた.来院時に著明な高血圧と軽度の嘔気嘔吐を認め,左 ACA解離を疑って降圧薬と脳保護薬の投与を開始した.第 5病日のフォローアップ頭部 CTAで主幹動脈の多発狭窄は改善しており,第 12病日に施行した脳血管撮影で左 A2以遠の pearl and string signを認め,動脈解離に矛盾しない所見であった.しかし動脈解離のみでは説明できない可逆的でびまん性の脳動脈狭窄の存在が示唆され,典型的な雷鳴頭痛はなかったが可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome: RCVS)の合併と診断した.頭蓋内 ACA解離と RCVSの合併は既報がなく,貴重な症例と考えられた.

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© 2018 日本脳卒中学会
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