日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第52回大会
セッションID: OA-5
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細胞応答・放生研共同研究
DNA損傷応答におけるNBS1結合因子の働き
*加藤 晃弘小松 賢志
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抄録
ナイミーヘン症候群 (NBS) は、小頭症、免疫不全、成長遅延、高発がん性を特徴とするまれな常染色体劣性遺伝病であり、NBS患者由来の細胞は染色体不安定性やS期チェックポイント異常の他、放射線高感受性を示すことを特徴とする。NBSの原因遺伝子産物であるNBS1はMRE11、RAD50とともにMRN複合体と呼ばれるタンパク質複合体を形成している。これまでの研究からMRN複合体は放射線などによって生じるDNA二重鎖切断の修復やDNA損傷チェックポイントで働くことが明らかにされているが、分子レベルでの作用機序については不明な点が多い。
今回我々はNBS1の分子レベルでの作用機序を解析するため、NBS1と結合する新規タンパク質を同定することを試みた。新規NBS1結合タンパク質を探索するため、FLAGタグ付きNBS1を293E細胞で発現させ、抗FLAG抗体による免疫沈降を行った。ウエスタンブロッティングの結果、この沈降物にはMRE11とRAD50が含まれることがわかった。銀染色により沈降物を染色した結果、この他にもいくつかのタンパク質が含まれることが明らかとなった。これらのタンパク質についてさらに解析を行ったのでその結果について報告する。
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© 2009 日本放射線影響学会
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