日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第53回大会
セッションID: PE-18
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E 放射線治療・修飾
放射線によるタマネギ根端細胞の分裂遅延と小核発生頻度の関係
*曽 子峰袁 軍本間 信松本 洋平高辻 俊宏古澤 佳也
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キーワード: 小核, 重イオン, 分裂遅延
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抄録
【目的】
放射線照射してから18時間後に現れるタマネギ発芽種子の根端細胞に見られる小核の発生頻度は、低線量では線量の増加に伴って増加するが、さらに高線量では減少に転じる。当初、高線量で小核が見られなくなるのは、細胞死によるものだと考えた。しかし、根の伸長の実験では、γ線で160Gyを照射しても、根の伸びは止まることがなかった。このタマネギの成長に目立った影響がないことから、小核の減少の主な原因は、細胞死ではなく、照射後の細胞分裂が遅延するのではないかと考えられる。このことを明らかにするため、放射線の種類や線量と小核発生の遅延の関係を調べた。
【方法】
長崎大学先導生命先導生命科学研究支援センターアイソトープ実験施設のセシウムを線源としたガンマ線及び放射線医学総合研究所の重荷電粒子を用いて、タマネギ発芽種子を照射し、小核の発生は時間につれて、どのように変化するのかを観察した。
【結果及び結論】
同じ放射線で照射した細胞は線量が高いほど、小核が出現するピークが遅くなる。
同じ線量で照射した細胞はLETが高いほど、小核が出現するピークが遅くなる。
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© 2010 日本放射線影響学会
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