抄録
本研究の目的は,海外移民に対する沖縄県民の受容態度を測定し,その実態を明らかにすること,また海外移民に対する受容態度を規定する要因について検討することであった。沖縄県民724名に対するWeb調査の結果,海外移民に対する受容態度は積極的受容と困惑の2因子が抽出され,それぞれの得点から沖縄県民の海外移民に対する受容態度は比較的ポジティブであることが示された。海外移民に対する受容態度の規定因に関して,構造方程式モデリングによる分析を行った結果,県内出身と県外出身を問わず,海外移民の受容態度に対しては沖縄アイデンティティと海外移民に関する知識が相対的に強い影響を及ぼすことが明らかになった。