応用生態工学
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事例研究
河川の階層構造に基づいたフィールド体験型河川生態学習プログラムの設計:水族館・学習施設・研究機関の連携による取り組みから
真田 誠至池谷 幸樹吉冨 友恭萱場 祐一
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2017 年 20 巻 1 号 p. 87-98

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抄録

河川を題材にした社会教育施設の教育現場では,フィールド体験型の学習プログラムが数多く実施されている.しかし,河川で見ることのできる現象は,どの程度の空間スケールで河川を捉えるかによって異なる場合が多い.そこで,本研究では河川の生息場に関する階層構造の空間スケールに基づいたプログラムを設計した.その中では,様々な河川の学習素材が持つ空間スケールの範囲を整理し,フィールド体験にそれらの学習素材を組み合わせた.実践の結果,河川で見られる現象への理解を深めることに繫がったとの意見を得ることができた.今後,フィールド体験型河川生態学習プログラムを設計する際には,フィールドで被験者が直接体験することで得られる情報と学習素材によって間接的な体験で得られる情報を整理して組み立てること,フィールド体験で得られる情報を補完するための学習素材が有効であることを指摘した.

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© 2017 応用生態工学会
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