抄録
飛行時間形二次イオン質量分析法(Time-of-Flight secondary ion mass spectrometry: TOF-SIMS)は高空間分解能での化学イメージングが可能な手法であり,もっとも優れた化学イメージング法の1つである.しかし,ナノレベルでのより高い空間分解能でのイメージングが要求されているため,より空間分解能の高いSEMデータとイメージフュージョンしたイメージデータを主成分分析することにより,化学情報を保ったままTOF-SIMS本来よりも高い空間分解能で表現した.また,TOF-SIMSスペクトルは解釈が難しい場合が多いため,スパースモデリングと機械学習を応用し,スペクトルの単純化や自動判別を試みた.