Journal of Surface Analysis
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研究論文
Operando軟X線XAFSによるLiNiCoMnO2電極の 初回充電過程における電荷補償機構解析
中西 康次 北田 耕嗣森田 善幸谷田 肇為則 雄祐鶴田 一樹家路 豊成折笠 有基山本 健太郎内本 喜晴小久見 善八太田 俊明
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2018 年 25 巻 2 号 p. 90-102

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抄録
Opernado軟X線XAFS測定によりLiNiCoMnO2正極の初期充電過程における電荷補償機構が研究された.蛍光収量にて検出された軟X線XAFSスペクトルより,LiNiCoMnO2を構成する元素の価数はそれぞれNi2+,Co3+,Mn4+,O2-である.初期充電過程において,Ni2+はNi4+へと酸化し,Mn4+は変化が見られなかった.O2-はO K吸収端XAFSスペクトルに新規プリエッジピークが出現することから,O 2pから電子が脱離してホールが生成することで酸化する.Co3+operando Co L3吸収端XAFSスペクトルにおいて充電初期から高エネルギー側へエネルギーシフトすることが観測された.LiNiCoMnO2電極の初期充電過程においてNiイオンが主に電荷補償を担い,Mnイオンは寄与しない.また,Oイオン,Coイオンもわずかではあるが電荷補償に寄与することが明らかとなった.
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© 2018 一般社団法人 表面分析研究会
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