抄録
(一社)研究産業・産業技術振興協会の研究から,相対感度係数法を用いたスタティック二次イオン質量分析法(S-SIMS)によって,3,3-Di(9H-carbazol-9-yl)biphenyl(mCBP)とtri-(2-phenylpyridine)iridium(Ir(ppy)3)とで成る二元有機混合物に関して定量可能であることを見出した.この結果を基に,二元有機混合物の定量分析法と定量可否の診断法に関して,表面化学分析技術国際標準化委員会(JSCA)イオンビームWGはISO規格化に向けた提案をすることとなった.ここでは,SIMSによる定量法の難しさと,規格案及びその位置づけについて概説する.