ビジネス実務論集
Online ISSN : 2436-4142
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研究ノート
中小規模医療機関における医療系事務職人材の職務満足調査からの提言-影響要因を視点においた検討-
武村 順子
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2024 年 42 巻 p. 13-24

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抄録

 医療経営においては、働き方改革、医療DX、医療費削減など、国の施策が前提にある中で、経営上の問題と臨床上の問題を譲歩させながら運営を継続しなければならない。特に、プライマリ・ケアの担い手となる中小規模医療機関(300床未満病院 診療所)の経営安定は、国民の健康保持増進や医療費の問題からも重要な位置付けにある。これらの解決策の一端に、医療系事務職人材の有効活用がある。

 これらを実現させることを課題と捉え、研究目的を「中小規模医療機関に勤務する医療系事務職人材の職務満足に影響する要因を探り、その結果を基に人材有効活用の提言を行うこと」とし研究に着手した。研究の方法として、まず、「医療の質」と「経営効率」を両立させるための組織変革について事例検討を行った後、全国の中小規模医療機関の医療系事務職人材に対しアンケート調査を実施し、そのデータを基に、因子分析、重回帰分析を行った。さらに、属性の特徴、先行研究、事例などからの視点も踏まえ、医療系事務職人材の有効活用の障壁について論究した。

 その結論として、管理体制の整備、医療系事務職人材に対する認識を変える、人事考課の再考、組織風土の改善、教育を受ける機会を作る、という5項目について組織的に取り組むことを医療系事務職人材有効活用の提言とした。

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