2024 年 42 巻 p. 53-64
本研究では、大学生低学年のキャリア探索に焦点を当て、インターンシップ科目を履修した学生と未履修の学生を比較して、キャリア探索にどのような差異があるのか検討した。まず、インターンシップ科目履修生と未履修生を対象にアンケート調査を行い、職業決定の状態、職業選択の自己決定的な動機の比較を行った。データ分析の結果、インターンシップ科目履修生ほど、安直な職業選択状態を避けている結果となった。また、インターンシップ科目を履修し、インターンシップへ参加しようという意思や行動は、自己決定性の高い動機と関連性があることが分かった。さらには、ストレスに対して積極的対処をしている学生ほど職業選択が促進され、自己決定性の高い動機と関連性があることが分かった。本研究の結果は、コロナ禍でのストレスフルな大学生活において、低学年のキャリア探索状況を把握し、さらに促進させる支援を期待されるインターンシップ科目のあり方に示唆を与えるものである。