不安症研究
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原著
パニック障害における睡眠習慣と精神的健康度の関連について
小松 智賀武井 邦夫吉田 栄治貝谷 久宣佐々木 司
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2014 年 6 巻 1 号 p. 17-24

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抄録
精神疾患と睡眠との関連は深く,多くの精神疾患には睡眠障害が伴う。睡眠の問題を考えるうえでは,就寝前の行動や環境が睡眠に影響を与える可能性がある。そこで,本研究ではパニック障害における睡眠習慣と精神的健康度(GHQ-12で評価)との関連を,自己記入式の質問紙を用いて検討した。分析対象者数は少ないものの社交不安障害についても参考として解析を行った。その結果,パニック障害患者は平日の就寝時間が遅く睡眠時間が短い傾向がみられ,平均睡眠時間が6時間未満の患者では精神的健康度が有意に悪かった。大うつ病の合併のないパニック障害患者では,このほかに消灯後のテレビやパソコンの使用が精神的健康度の悪化と有意に関連していた。消灯後のテレビやパソコンの使用はパニック障害患者では4割近くにみられた(社交不安障害患者では2割程度)。パニック障害ではこれらの睡眠習慣上の問題が精神的健康度に有意に影響している可能性が示唆された。
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© 2014, Japanese Society of Anxiety Disorder
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