2007 年 2007 巻 KST-02 号 p. 05-
医療現場で用いられているクリニカルパス(以下パス)は質の保証、情報の共有化を行う医療プロセスだが、知識プロセスも含まれている。この知識プロセスは、暗黙的な個々の医療専門職が持つ「知」を対話で組織が利用できる形式「知」であるパスを創り、それを組織が共有・活用しながら新たな「知」を個々が獲得し、再び新たな「知」を用いてパスを改善するスパイラルプロセスである。パスを用いることで医療現場での経験知の伝承を容易にし、医療プロセスの客観性・一貫性の確保が可能になった。本稿では、医療プロセスの可視化と知識プロセスについて述べる。