2017 年 2017 巻 FIN-019 号 p. 47-
機械学習を用いた株価予測については近年多く研究されている.しかしながら,その多くが株価ないし株価指数そのものをそのまま予測対象としている.一般に株価は非常に複雑な振る舞いを示し,予測が難しい.一方で,同業種同規模などの似通った銘柄間では価格差 (スプレッド) が平均回帰すること (所謂共和分性) が知られている.そこで本研究では,株価そのものではなく,共和分性を満たす株価ペアのスプレッドを機械学習で予測する手法を提案する.具体的には,LSTM を用いて,定常性を満足するモデルで最も代表的な AR(1) 過程に従う人工的な時系列データを事前学習する.学習した LSTM を用いてペア・トレード戦略に適用した結果,単純な AR(1) 過程や実データを直接学習させた LSTM よりも良好な結果が得られた.