2021 年 2021 巻 CCI-008 号 p. 05-
自治体における社会課題に対して,多くの関係者から多様でイノベーティブな意見を集約し,集合的意思に可視化し,実際の政策を決定することは,極めて難しい。この問題を解決する手段として,地域に暮らす人々と行政を横断的につなぎ,関係性を強めて,イノベーション創出をめざす取り組みがある。「事業ミライクエスト」と「里山×STEAM MINOKAMO2030」は,ICT プラットフォーム・Diamond Mandala Matrix(DMM)を活用して,新たな市民と企業・研究者との共創の仕組みを構築する事業である。本稿は,「里山×STEAM MINOKAMO 2030」を実践事例として取り上げ,「多様性によるイノベーションの創出」プラットフォームに生まれる関係性が強まる政策形成過程の特徴と可能性に焦点を当てて報告する.