2022 年 2022 巻 AGI-020 号 p. 04-
科学技術研究は長期的なAIの応用先の中でも最も波及効果が大きいと見込まれる分野の一つである。AIを一種の自動化技術として捉えた場合、その効用は人間の操作や指示をいかに減らすかあるいは簡略化出来るかと比例する。従って、科学AIの効用はその自律性と深く関係すると考えられる。本講演では、米国SAE(自動車技術会)が示した自動運転のレベル設定にヒントを得て、実験科学分野を念頭に置いた科学AIの自律性レベルの設定を提案する。また、汎用AIを含むAI研究の長期的な発展との関連を、科学研究における過去および最近の具体的なAIの応用例とともに議論する。