現在, ロシアのウクライナへの侵攻などの地政学リスクの重要度が, 金融市場で高まりつつある. 地政学リスクは, 金融市場において負の影響を与える要因の一つと言われており, 定量化が大きな意味をもつ. 一方で, 地政学リスクは多くの曖昧性を含んでおり, 国ごとの地理的・歴史的背景や時代によってリスクの具体的な内容が異なってくるため, 国・時代によって柔軟にリスクの具体的内容を変更できる定量化手法が必要である. 本研究では, Word2vecによる単語の分散表現を用いた, 各国に適用可能で定期更新可能な, 地政学リスク定量化手法を提案する. 日本の新聞データを用いて定量化を行った後, 金融市場との関連性を分析して, 提案手法の有用性を評価した.