2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p. 130-131
価格の拡散係数である「volatility」は金融市場のリスクの指標として市場設計や取引に活用されてきた。重要な統計量であるvolatilityの性質について代表的な人工市場モデルであるSanta Fe modelのシミュレーションを用いた研究が盛んにされてきた。しかし、Santa Fe modelは多数の注文によって構成されるシステムであり、理論解析が困難なことが知られている。そのため、Santa Fe modelの各パラメータに対してvolatilityがどのように変化するか理論的な理解は十分ではない。そこで、我々はSanta Fe modelに物理学の分野で用いられてきた近似解析手法を適用しvolatilityについて理論解析を行い、その結果について報告する。