2025 年 2025 巻 BI-026 号 p. 15-
顧客分析のために,負担が大きいアンケートではなく観測可能な顧客行動から顧客ロイヤリティを正確に推定することは重要な課題である.近年,ロイヤリティを隠れ状態と定義し隠れマルコフモデルで推定する手法が提案されているが,従来手法では1種類のみの顧客行動を観測値としており,推定性能には限界がある.そこで,隠れマルコフモデルを拡張して複数種の顧客行動と外的要因の影響を表す時系列データに基づく顧客ロイヤリティの推定手法を提案する.提案手法の検証のため,時系列ログが大規模に蓄積される配車サービスを事例として先行研究に基づき模擬実験を行い,従来手法より正解率が2.47%高かった.また,モデルパラメータ(出力確率)の推定誤差は,従来手法と同等かより小さかった.