2021 年 56 巻 1 号 p. 39-48
前報において,150 mm幅で2列交互の千鳥状に植付け,植付け直後にロータリヒラーで1500 mm幅毎に2条4列分をまとめて培土する千鳥植え栽培では,750 mm幅で1条1列ごとに培土する方法よりも60 g以上の規格内収量が高まることを明らかにした.しかし,前報で開発した千鳥植え栽培の植付けと培土を別々に行う作業体系では,種子がロータリ爪に接触するなどして地表面に近づき,慣行法よりも生産した塊茎が緑化しやすい課題が残った.そこで本報では,前報で開発した千鳥植えポテトプランタを植付けと同時に750 mm幅で1条2列ごとに培土も行う方法に改良し,2016年と2017年に品質への影響を慣行法や前報で開発した千鳥植え栽培と比較した.試験の結果,緑化率は,前報で開発した千鳥植え栽培では2016年に慣行法よりも有意に増加したが,千鳥植えと同時の培土では播種に沿って培土され,2016年,2017年ともに慣行法と有意差がなかった.また,千鳥植え栽培による塊茎の一個重は,培土方法を問わず,2016年には慣行法に比べて有意に大きくなり,規格内収量は慣行法を有意に上回った.しかし,2017年にはどちらの千鳥植え栽培も慣行法と一個重は変わらず,規格内収量も差がなかった.