主催: 人工知能学会
会議名: 第100回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 100
開催地: 国立国語研究所 講堂
開催日: 2024/02/29 - 2024/03/01
p. 79-84
本研究では,相互行為分析を用いて,会話中に生じる気まずい沈黙とは何か,人がその気まずさにどのように向き合っているかを明らかにした.まず,直感的に気まずいと感じられる沈黙とそうでない沈黙の発生方法を比較し,「次話者が選択されていないものの,自己選択で誰かが話し出してもいいはずの沈黙」を気まずい沈黙と定義した.また,会話への志向が参与者間で不均衡な場合に,沈黙が気まずいものとなることが明らかになった.次に,気まずい沈黙への向き合い方を分析した結果,(1)誰かが会話への志向を弱めながら発話する,(2)会話への志向がより強い参与者を中心とした参与枠組みに組み替える,(3)会話への志向が弱い参与者の志向を強めさせる,という3つの方法が使われていた.このように会話の参与者は,参与者間で生じた会話への志向の不均衡を解消しようとしたり前景化しないようにしたりすることによって,気まずい沈黙に対処していた.