人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
104回(2025/9)
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公の場での子どもの言動を親はどう監督するか—実験参加中の子どもの「中断/終了意思表示」に対する親の対処—
鈴木 佳奈下西 真代
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会議録・要旨集 認証あり

p. 26-30

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抄録

公の場で子どもに適切にふるまわせることは,親にとって大きな悩みの種となりうる。本研究では,未就学の子どもとその親が絵本読み聞かせ実験に参加した際の会話を用いて,実験中の子どもの発言や行動を親が「この場では不適切」と見咎めるやり取りから,子どもの監督者である親自身のふるまいとその背後にあると考えられる意識を明らかにする。使用したデータセットでは,子どもが収録機材に興味を示す場面と,子どもが突然に「終了意思表示」をすることによって,研究者の指示通りに読み聞かせ活動ができなくなる状況で,親から子どもに向けた「注意」(高梨2016)が生じやすい。当日の発表では特に後者を取り上げ,親がどのような言語的表現を用いて説得するのか,またその説得が成功するか否か(子どもが翻意・妥協するか)を会話分析の手法で確認する。その上で,子どもの監督者であると同時に実験協力者でもある親の二方向への指向性について論じる。

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