人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
104回(2025/9)
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子どもに対する接客における二重の関与への対処—遊園地の接客を事例として—
新保 冴弥坂井田 瑠衣
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会議録・要旨集 認証あり

p. 31-35

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抄録

本研究は,遊園地におけるスタッフと子どもの来園者との接客場面に注目し,スタッフが遊具の操作と子どもとの会話という二重の関与(dual involvements; Raymond & Lerner, 2014)にどのように対処しているのかを明らかにすることを目的とする.スタッフはいくつかの制約のもとで来園者に接客する必要がある.例えば観覧車では,特定のタイミングで遊具の操作を行いながら来園者を案内し乗車させなければならない.また,子どもとの接客では,会話の連鎖を開始・拡張し,楽しませようとする様子も見られる.本研究では,こうした制約の中でスタッフがどのように行為を調整しているのかを相互行為分析を用いて明らかにする.分析の結果,スタッフは操作のための時間的制約の中で会話を挿入・展開しつつ身体的志向を調整してそれぞれに関与し続けることで,遊具の操作と子どもとの会話という二重の関与に対処していた.

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