主催: 人工知能学会
会議名: 第104回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 104
開催地: 広島大学 東広島キャンパス 法人本部 4階会議室
開催日: 2025/09/08 - 2025/09/09
p. 36-41
近年の言語発達研究では、幼児と大人の相互作用における「マルチモーダルな共同注意」能力の発達が幼児のその後の認知および言語能力の基盤形成に重要な役割を持つことが明らかになっている。これまでの研究を概観すると、研究の多くが第一言語発達時期での調査である一方、同時期での第二言語環境下における母親と幼児の共同注意場面を探った研究はあまりない。そこで本研究は大人もしくは幼児がどのような共同注意行動をとり他者の意図を理解しているのかを探るため、英語教室の幼児クラスに通う5組の母親と幼児、そして講師とのインタラクションを観察し分析を行なった。分析の結果、第二言語環境下においても幼児は指さしによって大人との共同注意に繋げるだけでなく、交互凝視をすることで共感に至ることも明らかになった。発表では、3つの実例を基に彼らがどのような共同注意行動をとり他者の意図を理解しているのかを紹介したい。