主催: 人工知能学会
会議名: 第104回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 104
開催地: 広島大学 東広島キャンパス 法人本部 4階会議室
開催日: 2025/09/08 - 2025/09/09
p. 52-57
本研究の目的は,乳児期の子どもがどのように楽器に埋め込まれた文化的な価値を学習していくのかを明らかにすることであった.この目的のために,本研究では「子どもの音楽的行動の発達に関するデータベース」(ヤマハ音楽振興会所蔵)から2組の親子ペアを選択し、楽器等を用いて約10分間、親子で自由に遊んでいる場面で生起した行動について,生後約1年間分のデータを分析した。その結果,子どもが楽器を一般的な方法で扱うようになるまでの間,彼らは親の見本行動を即座に模倣していたのではなく、様々な探索的行動を示していたことが明らかになった.このような結果をもとに、乳児は親とのコミュニケーションのなかで探索行動を活性化させ,楽器に埋め込まれた文化的な価値を学習する契機を得ているということ,そしてこのような学習のありようが,乳児と楽器とを結びつける「感覚運動的共感」という視点から理解されうることが議論された。