主催: 人工知能学会
会議名: 第96回研究会言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 96
開催地: 国立国語研究所
開催日: 2022/12/13 - 2022/12/14
p. 04-
対話処理の計算モデルの研究において、話し手の心的態度を表すとされる終助詞の獲得のモデル化は手薄である。我々は言語と画像に加えて様々な主観的感覚を入力とし、各単語と各種感覚・心的状態の関係を学習するモデル Subjective-BERTを提案し、新情報を伝えるときに用いられる「よ」、情報共有を確認するときに使われる「ね」等の意味獲得を目指してきた。本論文では、この「よ」「ね」の意味とともに、環境内の具体物や行為、心的・身体的状態を指す内容語の意味が、どのように内部表現されているかを分析する。これまでに、単語、画像認識、主観的感覚それぞれの認識結果のembeddingを調べ、モーダルごとにクラスタが生成され、言語クラスタ内では似た働きの単語が近くに配置されていることを確認した。今後は、終助詞「よ」「ね」の働きに応じて内容語とその指示対象間のattentionが変化するという仮説を検証する。