人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
98回 (2023/9)
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韻律的境界マーカー:JSLの曖昧文
田頭 未希
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p. 37-42

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抄録

手話言語は物理的音を持たないが、音韻的仕組みと階層的な韻律構造を持っている。音声日本語について統語構造と韻律構造の関係を扱った研究は非常に多くあり、統合構造の違いに起因する韻律要素はすでに解明されつつある。しかし、日本手話においては研究自体が遅れている上、日本手話の韻律をあるかう研究は非常に限られる。本稿では日本手話において、語順は同じであるが、統語構造が異なり、意味に曖昧性が生じる名詞句を用いて、統語構造の違いが韻律にどのように反映されるのかを調査した。手話言語では韻律構造が非手指要素に現れることがわかっているが、どの要素がどのように関わるのかについてはわかっていない。また、アメリカ手話やイスラエル手話などで報告されている韻律境界で観察される要素の入れ替わりの現象についてもデータをもとに論じる。

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