抄録
ダイズ播種時の出芽不良の大きな要因である吸水障害は,急激な吸水による子葉とその維管束の断裂に起因することがMRIでの観察で示された。この吸水障害は可塑性に乏しい過度に乾燥した種子ほど顕著であり,その回避には種子全体の水分を15%w.b.前後に保つだけでなく,種子表面と内部の水分差を2%w.b.以内とすることが不可欠であった。そのためには,調湿方法に依らず,種子全体を15%w.b.前後に調湿した後,さらに種子水分均一化のために調湿処置期間を含めて計3~4日経る必要があった。また通常の梅雨期の土壌水分に乾燥種子を播種すると吸水障害が多発したので,調湿種子の利用が吸水障害の回避に有効と考えられる。