抄録
パルス幅をナノ秒としたパルス高電界を農産物加工に応用する可能性について検討した。はじめに,種々の出力電圧条件下,一定のパルス幅140nsを印加できるナノ秒パルス高電圧装置と針対平板電極リアクタを製作した。次に,リアクタ内にブドウ表皮と蒸留水を入れ,ナノ秒パルス高電界に晒した後の表皮の細胞を顕微鏡観察し,併せてリアクタ内に漏出したポリフェノール総量を計測した。その結果,印加後のブドウ表皮はアントシアノプラストの崩壊が見られ,高い出力電圧では細胞内からのポリフェノールの漏出が顕著であった。また,パルス繰り返し回数を少なくすれば,より非加熱的に表皮に電界を付加することが示唆された。