本報は,エダマメ調製作業を効率化するため,前報までの知見を基に画像処理を用いた傷害検出方法,透過画像を用いた子実熟度検出方法を利用したエダマメ選別機を試作し,生産現地で実証試験を行った。試作したエダマメ選別機は,速度が異なる2基のベルトコンベアと整列搬送機構,検出部,制御部,分離部で構成し,長さ1700mm,幅500mm,高さ1500mmの形状である。試作機の整列搬送機構は,整列ロール,各ベルトコンベア上に整列回転体と搬送路をそれぞれ配置した構成を用いることでエダマメ莢の搬送姿勢が安定し,作業能率を手選別の5.1倍にした。試作機の検出部は,子実熟度を検出するファイバーセンサと着色系傷害を検出するCCDカメラで構成した。検出部は,エダマメ莢を1莢ずつ投入した場合に選別率(η)が0.51,センサ部の回収率(η
s)が0.80,傷害検出部の回収率(η
i)が0.66であった。生産現地での選別試験では,エダマメ莢の搬送状態や傷害検出範囲の低下の影響でηの平均値が0.11であった。ただし,試作機の良品莢に対する回収率(η
a)は0.75,良品判定に含まれる良品莢(
WgPg)の割合は63~81%とそれぞれ高く,手選別と同等であった。
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