農業機械学会誌
Online ISSN : 1884-6025
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73 巻, 2 号
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研究紹介
論文
研究論文
  • 鈴木 由美子, 岡本 博史, 田中 勝千, 片岡 崇, 柴田 洋一
    2011 年 73 巻 2 号 p. 115-126
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2013/04/24
    ジャーナル フリー
    本研究では,グランドベースのハイパースペクトル画像解析による採草地の牧草収量のマッピングシステムを開発した。取得した圃場全面のハイパースペクトル画像の各画素を収量推定モデルに適用し,牧草収量を推定した。その後,セミバリアンス解析により適正なマップ解像度を求め,最適化した収量分布マップを生成した。4種の手法で開発した収量推定モデルを比較検討した結果,PLS回帰分析により生成したモデルが最も良好な精度であった。このモデルの決定係数は0.418,標準誤差は0.077t/10a,相対誤差は0.218で,概ね推定が可能と考えられた。また,生成した推定収量分布マップから相対的な収量の空間分布が把握可能と判断できた。
技術論文
  • ——試作エダマメ選別機の性能評価——
    片平 光彦, 張 樹槐, 大泉 隆弘, 後藤 恒義, 鵜沼 秀樹, 田村 晃, 後藤 克典
    2011 年 73 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2013/04/24
    ジャーナル フリー
    本報は,エダマメ調製作業を効率化するため,前報までの知見を基に画像処理を用いた傷害検出方法,透過画像を用いた子実熟度検出方法を利用したエダマメ選別機を試作し,生産現地で実証試験を行った。試作したエダマメ選別機は,速度が異なる2基のベルトコンベアと整列搬送機構,検出部,制御部,分離部で構成し,長さ1700mm,幅500mm,高さ1500mmの形状である。試作機の整列搬送機構は,整列ロール,各ベルトコンベア上に整列回転体と搬送路をそれぞれ配置した構成を用いることでエダマメ莢の搬送姿勢が安定し,作業能率を手選別の5.1倍にした。試作機の検出部は,子実熟度を検出するファイバーセンサと着色系傷害を検出するCCDカメラで構成した。検出部は,エダマメ莢を1莢ずつ投入した場合に選別率(η)が0.51,センサ部の回収率(ηs)が0.80,傷害検出部の回収率(ηi)が0.66であった。生産現地での選別試験では,エダマメ莢の搬送状態や傷害検出範囲の低下の影響でηの平均値が0.11であった。ただし,試作機の良品莢に対する回収率(ηa)は0.75,良品判定に含まれる良品莢(WgPg)の割合は63~81%とそれぞれ高く,手選別と同等であった。
  • ——高電界印加後のブドウ表皮の細胞形態と漏出ポリフェノール総量——
    畑山 仁, 小出 章二, 高橋 克幸, 河村 幸男, 高木 浩一
    2011 年 73 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2013/04/24
    ジャーナル フリー
    パルス幅をナノ秒としたパルス高電界を農産物加工に応用する可能性について検討した。はじめに,種々の出力電圧条件下,一定のパルス幅140nsを印加できるナノ秒パルス高電圧装置と針対平板電極リアクタを製作した。次に,リアクタ内にブドウ表皮と蒸留水を入れ,ナノ秒パルス高電界に晒した後の表皮の細胞を顕微鏡観察し,併せてリアクタ内に漏出したポリフェノール総量を計測した。その結果,印加後のブドウ表皮はアントシアノプラストの崩壊が見られ,高い出力電圧では細胞内からのポリフェノールの漏出が顕著であった。また,パルス繰り返し回数を少なくすれば,より非加熱的に表皮に電界を付加することが示唆された。
  • 孫 孝政, 山名 伸樹, 土肥 誠, 中田 昇
    2011 年 73 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2013/04/24
    ジャーナル フリー
    スイートソルガムの収穫適期の把握と高効率圧搾を図るため,荷重計,圧縮試験機などを使って,スイートソルガム節間や細断したソルガムの圧搾特性を調査した。その結果,スイートソルガム節間の硬度と糖度はいずれも播種後第15週以後に高くなり,播種後第16週から第17週までが最も高く,その後は低下する傾向を見せた。これらの推移を考えると,供試スイートソルガムは播種後第16週から第17週にかけて収穫し,搾汁することが有利であると思われた。細断スイートソルガムの搾汁率(ジュース質量/材料質量)は加える圧力とともに増加するが,その関係は対数近似関係で表された。なお,圧搾に当たっては材料の厚さが薄いほうがエネルギーの利用効率が高いことが分かった。
  • ——捕虫機の気流がコナガの行動に与える影響——
    齋藤 秀文, 宮崎 昌宏, 山根 俊, 武田 光能, 小林 恭
    2011 年 73 巻 2 号 p. 148-155
    発行日: 2011/03/01
    公開日: 2013/04/24
    ジャーナル フリー
    気流を用いたコナガの物理的防除技術を開発するため,気流条件がコナガ成・幼虫の除去に及ぼす影響について明らかにした。仮死状態のコナガ成虫は垂直および水平気流ともに3.5m/sの気流速度で100%除去できた。金網上に静止しているコナガ成虫を完全に除去するには,垂直気流では気流速度20m/sで暴露時間2s,水平気流では気流速度20m/sで暴露時間6sを要した。飛翔しているコナガ成虫は,気流速度3m/sのとき,垂直気流では100%除去し捕獲できたが,水平気流の捕獲率は60%であった。金網上のコナガ幼虫は送風すると,糸で体を支えることで,成虫に比べて累積除去率は低くなり,気流速度20m/sのとき垂直気流で70%,水平気流で50%であった。
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