抄録
わが国において中耕培土作業に広く利用されているロータリ式中耕機の問題点として,湿潤土壌時に土を練ること,作業速度が遅いことがある。これらの問題を改善するため,前後に設けた2対のディスクが作物条間を通過する際に土壌の抵抗で回転し,土を横に反転移動させることにより中耕培土を行うディスク式中耕培土機(開発機)を開発した。作業能率,所要動力および燃料消費量に関するロータリ式中耕機(対照機)との比較試験を行い,(1)作業速度を開発機で1.2 m/s,対照機で0.65 m/sに設定して試験した結果,開発機のほ場作業量は72∼95a/hであり,対照機の1.7∼1.9倍であること,(2)常用作業速度(開発機が1.0∼1.6 m/s,対照機が0.5∼0.8 m/s)同士で比較すると,対照機に比べ開発機は機関所要動力が概ね同程度,機関所要エネルギと燃料消費量が概ね1/2程度であることなどが明らかになった。