農業機械学会誌
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食品の凍結・融解過程におけるエンタルピ変化 (第1報)
試作した伝熱型熱量計とその性能
細川 明坂井 直樹
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1977 年 39 巻 1 号 p. 35-42

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抄録
本研究は3つの目的をもって行われた。すなわち, (1) 食品の凍結・融解過程におけるエンタルピ変化等について既往の熱的データを再検討する, (2) にれらデータの蓄積をはかる, (3) 熱的に未知の食品に対して熱負荷計算の簡便かつ精度のあるエンタルピ推定法を提案することである。本報では試作した伝熱型熱量計, おそび熱特性既知の庶糖溶液を供試して調べた熱量計の性能について報告する。その中で凍結点と融解点とは熱の移動速度の影響で測定上必ずしも一致しないこと, 更に低温域での熱特性に水分の影響が支配的であることを確認した。第2報では供試したゼラチンモデル, および調理食品を含む実際の食品についての熱的データを示すとともに, モデル食品を基礎とした食品のエンタルピ推定式を新たに提案し, 更に第3報では数種の食品固形成分の熱的データを報告する予定である。
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