1979 年 41 巻 2 号 p. 271-277
本稿は, 各種の条件下で乾燥実験を行なって, その動的平衡含水率を経時的に逐次計算し, 計算値の経時的変化を捕えたうえで, 計算値が安定するに必要な最小乾燥時間を提示し, 乾燥解析, シミュレーション等の精度を向上し得る境界条件 (平衡含水率) 確定のための資料を提供することを目的とする。
本法によって得られた動的平衡含水率の性質, およびこれと静的平衡含水率との関係, さらに動的平衡含水率から計算される球モデルの乾燥定数の性質を調べた結果, 本法によって与えられる動的平衡含水率およびそれから計算される乾燥定数の双方共, 従来のものと同意的であり, 平衡含水率確定のための一手法として, 本法を用いることができることを示した。