抄録
カキのクロロフィルによる Delayed light emissian (DLE, 遅延発光) を, 果実の熟度や着色度に応じた等級選別の機械化・自動化の手段として利用するため, まず基礎特性の研究を行なった。すなわち, 本報では, カキのDLEの暗期回復, 光飽和性, 温度依存性などの諸特性を求め, 強いDLEを得るためには励起条件を暗期15分以上, 励起照度2800lx以上, 励起光照射時間1~3秒とすればよいことを導いた。また, 果実のクロロフィル含量とDLE強度との間に1次相関を得た。続いて第2報では, DLEの応用特性として, 成熟過程における果皮色や収穫日とDLE強度との関係, DLE強度による分級試験結果などについて述べる。