抄録
動力耕うん機の旋回操作の困難さは衆知であり, 腰痛をひき起す直接原因でもあった。その実態と一改善試行の効果を報告する。
旋回時には, 耕うん部の持ち上げと旋回操向に全身的操作が加えられる。これらの操作力は機種によってことなるが, 特に耕うん部の持ち上げ力は主要な操作であって, 耕深や耕うんピッチなどの作業条件とほ場の状態によっても左右される。耕うん部昇降装置と, サイドクラッチーブレーキシステムの操向装置を併用した場合, RMR値を半減することができた。この値は, 直進耕うん時の値をわずかに上まわる程度のものであった。