抄録
堆肥化過程の本質的な理解と最適条件の検索のために, 広範囲の条件設定および反復実験が可能な小容積堆肥化実験装置を開発した。これにより多数回実験が可能になったばかりでなく, 試料ふん温上昇の詳細が把握できるようになった。また重量変化を測定し, これをふん乾物の減少と水分の減少とに分別できた。
さらに, 排気をガス分析することにより, ふん層通過後空気の組成変化がわかった。これらからふんの乾物の減少過程と試料ふん温の上昇過程との相関性を検証することができる。
第1報では実験装置の開発とその機能の概略, および得られた温度変化曲線の意義等について述べ, 第2報では通大量と添加物割合との変化条件において, 温度上昇と重量減との関係を, 第3報以下では排大のガス分析結果と, ふんの重量減の測定結果とから堆肥化過程における乾物の分解と水分の減少との解析を述べる予定である。