抄録
ロータリ耕うん中の動力耕うん機に外力として作用する耕うん抵抗の耕進力が, 耕うんシステムの動力伝達特性にどのような影響を与えるかを調べる目的で, 本研究の理論解析と圃場実験を行った。前報では, 動力伝達モデルと制動力の概念を述べた。
本報では, 動力耕うん機のフィードバック動力を解析して, 動力伝達系は閉ループ系で構成されており, その動力伝達効率理論計算式をブロック線図で求めた。つまり, ロータリ耕うんを遂行中の耕うん機は, そのエンジン出力がロータリ耕うん軸を駆動して耕うんを行うが, その結果発生するロータリ耕うん軸動力の一部が機体に還元され, その還元動力の一部が運行動力として機体の前進を助けると共に, 残りはフィードバック動力として駆動車軸を通して動力伝達系にフィードバックされることになる。これらの動力に関する伝達効率を論じると共に, 実例計算を行い, 耕うん機の設計, 試験, 使用などを, より精度の高い方法で行うための基礎を検討した。続報では圃場実験結果を報告する。
