1991 年 53 巻 6 号 p. 11-21
土壌消毒において作業中の安全性と防除効果の向上をはかるには, 薬剤の効能を最大限に発揮させるための土壌環境づくりと薬剤の理化学性に応じた的確な土壌消毒機の研究開発が必要である。本報では砕土粒径の違いが土壌中のクロルピクリンガスの動態た及ぼす影響について考察した。土壌消毒時の砕土粒径と通気係数, ガス拡散係数, 濃度分布特性の関係を室内試験により測定した結果, ガス拡散係数は砕土粒径を5~10mm以下にすることによって, 大気中の1/7~1/700, 10~20mm粒径土壌の約1/10~1/50まで小さくすることができ, ガスの封入効果が大きく向上することが明らかになった。