1992 年 54 巻 1 号 p. 57-65
穀物乾燥機の設計や最適な乾燥条件の探索に際して, 計算機による乾燥過程の数値計算シミュレーションは不可欠な手法となりつつある。これに伴い, 計算の基礎となる乾燥モデルには予測精度や多品種への適合性が要求される。
本研究では, 薄層乾燥実験により, ジャポニカ種4品種とインディカ種2品種の籾の乾燥特性を求め, 第1報において提唱した2槽モデルがジャポニカ種とインディカ種の籾に広く適用できることを明らかにした。また, 第2報において, 2槽モデルにより定義された境界時間θkと循環式乾燥における籾の乾燥部滞留時間との関係を考察し, 品種ごとの乾燥特性に基づいた最適な乾燥部滞留時間の設定を提唱した。更に, 最小二乗推定法によるモデルの推定の問題点についても検討した。