抄録
本研究は食パンの力学的特性をレオロジの観点から考察することを目的とする。本報では, 食パンの圧縮性及び弾性特性について検討した。実験結果によれば, 変形量が厚みの25%に達するまでの圧縮力-変形率曲線は初期不安定状態, 弾性部分, 過渡部分及び破壊部分の4ステージの挙動を示した。クラム構造及び強度的性質は方向によって異なり, 異方性体であることが判明した。更に, 弾性体として考えた食パンの比例限界, 等価ヤング率及び等価ポアソン比を求めた。第2報以降では破壊特性, 粘弾性特性について報告する。